- 2009年11月 5日 17:26
- スポーツ
松井秀喜選手がついに夢を実現しました。7年前、読売ジャイアンツからFAで二ューヨークヤンキース入りした松井選手、その胸の中にあった目標はヤンキースの一員としてワールドシリーズを制して世界一になることでした。一年目の2003年にはアメリカンリーグで優勝しワールドシリーズに進出しましたが、フロリダ・マーリンズに敗れ念願は叶いませんでした。
豊かな資金力でスター選手を集めることのできるヤンキースですから松井選手の夢は遠からず実現しそうに思えたものですが、現実は厳しいものでした。長く頂点にいたヤンキースも次第にチームのバランスが悪くなり、プレーオフに残ってもワールドシリーズまで駒を進めらくなってしまいました。2006年には松井選手が左手首骨折の重傷を負い、その後も右膝、左膝と手術をしてリハビリや調整に努めなければならず、何とも苦労の多い日々を送らなければならない羽目に陥りました。
そして今年は松井選手にとってヤンキースとの契約最終年なので、良い結果を残すことだけがヤンキースとの契約延長の条件でした。ですから、スランプがちょっと続いただけですぐにトレードの話だけが独り歩きして記事になる始末だったのです。その上ヤンキースの采配を振るうジラルディ監督はデータ重視の細かい野球を志向するタイプですから、膝にまだ不安を抱えている松井選手を守備に就かせようとはしませんでした。さらに始めの頃、松井選手は左投手を苦手にしているという誤ったイメージを持っていたせいでしょうか、右投手の時だけ使うような傾向がありました。それでも松井選手が素晴らしかったのは偶々対決することになった左投手を苦も無く打ち崩して監督の考えを改めさせてしまったところです。
そんな苦闘の積み重ねの中からジラルディ監督も松井選手の勝負強さを十分認識するようになり監督発言の中にも松井選手の存在の大きさを認めるコメントが徐々に増えてきました。与えられた数少ないチャンスに答えを出してポストシーズンの闘いに入る前、「マツイはヤンキース打線に欠かせない存在」とまでジラルディ監督に言わせたのです。普通の選手なら気持で負けて行ったかもしれないところを松井選手は自力で切り抜けて今日の評価を獲得したのでした。
ワールドシリーズに入ってからは特に集中力が高まっていて、出番があれば何時でも対応するという姿勢が印象的でした。それが第2戦のマルティネス投手からの勝ち越しホームラン、第3戦の代打ホームラン、第5戦の代打でのヒットを生み、そして本拠地に戻っての今日の大爆発に繋がったような気がします。今年6月、二ューヨークで取材したときに「必ず爆発します」と宣言した松井選手でしたが、その言葉は実は今日の日のための言葉だったのではないかという気がしてきました。
松井選手の座右の銘は「人間万事塞翁が馬」ということで、何があっても慌てず騒がず最善を尽くして結果を待つということですが、正しくその通りに振舞ってワールドシリーズMVPを獲得したのだと思います。ここまでの様々な苦労は神が松井選手に与えた試練であり、その試練を乗り越えることのできた松井選手に勝利の女神がほほ笑んだのだと思います。日本人が大リーグのワールドシリーズのMVPに輝くということはなかなかあり得ないことで、大リーグの歴史に刻まれた大きな1ページとして何時までも語り継がれることでしょう。「ヒデキ・マツイ」は本当にすごい選手です。
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