- 2009年7月23日 15:10
- スポーツ
今年の全英オープンゴルフ選手権は見所の多い大会でした。何といっても59歳のトム・ワトソン選手が一体どこまで上位をキープできるのかと思われながらも4日間頑張り抜きました。優勝に王手をかけながら18番ホールでパーパットを決められず、S・シンク選手とのプレーオフに突入、最後は遂に力尽き残念ながら最年長優勝記録の更新はなりませんでした。それでも59歳のワトソン選手は何とタフであったことでしょう。ドライバーの平均飛距離が295ヤードを記録したり、4日間に渡って集中力を保ち続けたりと、59歳の人間にはとてもできないと思われていたことをやってのけたのです。恐らくその陰では想像を超える節制や努力の積み重ねがあったのでしょう。
トム・ワトソン選手といえば私には忘れられない思い出があります。1982年、全米オープンゴルフ選手権がカリフォルニア州ペブルビーチで行なわれたとき、私はまだNHKのアナウンサーで実況中継要員として現地に入りました。(ちなみにその3年前の1979年、青木功選手が初挑戦した、オハイオ州トレドにあるインヴァーネスカントリークラブで行われた全米オープンゴルフ選手権が私にとっても初めての全米オープン中継でした。翌1980年はニュージャージー州バルタスロールで歴史に残るジャック・二クラス選手と青木功選手の4日間一緒のラウンドで大接戦の優勝争いが繰り広げられ結局二クラス選手が青木選手を降して優勝)私にとっては二度目の全米オープンの中継だったので、少しは余裕のある放送をしたいと思いつつも中々上手くは行かなかったことを懐かしく思い出します。
さて、最終日の優勝争いで帝王二クラス選手が先にホールアウト、その二クラスと並んでタイスコアで17番ショートホールにやってきた新帝王ワトソン選手が第一打を右の深いラフに外してしまいました。そして深いラフからの第二打のアプローチは打った瞬間ちょっと強いと思われたのですが、ボールは下りのラインを転がりながらピンに当たってそのままカップインしてバーディーとなり、二クラス選手との差を開いて結局逃げ切り優勝を決めたのでした。あの17番ホールのアプローチは、もしラインが少しでもずれていたらボールは随分転がってパーを拾うのも難しかったのではと言われ、全米オープンゴルフ選手権史上でも最も劇的なショットの一つとして話題になりました。
そのショットについて、ワトソン選手自身は、「あれは決して強くなかった。入れようと狙って打ったショットだった」と強気の発言を貫き通しました。その当時は意地を張っての発言かと思っていましたが、今回の全英オープンでの彼の頑張りを目の当たりにすると、あの時のアプローチショットも彼の言った通り本当に入れてやろうと狙って行って生まれた、正に自分の全身全霊を込めた一打だったのではないかという気がします。本当に強い精神力を持ったゴルファーだと改めて思い知らされた今大会でした。
来年の全英オープンはセント・アンドリュースで開催されますがワトソン選手は「来年も何とか戦えそうな気がする」と頼もしい発言をしてくれました。これからも彼には長く頑張ってもらって高齢者に勇気を与え続けて欲しいと思います。
- 次のエントリー: 「フジテレビ『ボクらの時代』」
- 前のエントリー: 「オードリーがやって来た!」